2016年5月31日火曜日

全ての家に芸術を

全ての家には藝術と呼べる絵画がある。

新時代の精神的藝術が、それを所有し鑑賞する者の人生や生活を一変させ、経済や文化の担い手へと変貌させてゆく。

深い精神性を取り戻し、人間復興へと突き進む。

まさに藝術の世紀である。

2016年5月28日土曜日

良い絵、鑑賞者と描き手に必要なこと

絵を見る目を養いたければ、絵を見るほかない。
「これは作品です」と主張する絵をとにかく一枚でも多く見ることだ。

「きれい」か「きれいでないか」は誰でも分かる。

そのうち「すごい」「それほどでもない」が見えてくる。

もっと見れば「好き」「嫌い」が見えてくる。

好き嫌いが分かれば「美しい」「美しくない」もわかる。

そしてさらに見れば「人生に影響を与えてくれる」かどうかが見えてくる。

やがて「価値あるものになる」かどうかが分かる。

最終的に、本物か偽物かが分かるようになる。


作家が自分の絵を良くするには、自分の描きかけの絵を見つめるしかない。
見つめて見つめて、鑑賞する。
やがてそこに本当に自分が到達したかったテーマが見えてくる。
そしてまた筆を進める。
また見つめる。
もっと見えてくる。
また見つめる。
そうやって絵は藝術に昇華してゆく。
見る人の人生に大きな影響を与え、勇気や希望を与える藝術となる。

作家自身が見つめていない絵はダメだ。
数時間で出来上がる絵に、藝術が担うテーマは隠されてはいない。
何かを写し取っただけだ。
それは一瞬の驚きやなぐさみものや装飾としての価値はあるだろうが、時代を超えて人の人生に影響を与えるような力は潜んではいない。

表層の意識的な意図を超えて、本質に迫る迫力と感動を表現するには、神の意志が必ず入っている。
それは作者が意図によって、あるいは偶察によって描き始めた作品を、作者自身が見つめることによって神の意志を読み取り、神の手に委ねることに成功した作品である。

それは描き手やベテランの鑑賞者だけでなく、絵のことを分からないと自称する者さえも瞬時に魅了するのである。





2016年5月25日水曜日

花と光 Flowers and the light


花と光
Flowers and the light

410x318(F6)/2016

花は光によって咲き
光によって実を結ぶ
岩の上でも水辺でも
今咲けば、明日実を結ぶ

20,000(仮縁付き)


2016年5月19日木曜日

護られた庭 Sheltered backyard


護られた庭 (Sheltered backyard)
333x242(F4) / Oil on canvas / 2016

みんなあつまれ
ここは護られている
いつでも
何の心配も要らない
夕陽とひまわりと裏木戸の思い出




護られた庭 Sheltered backyard


護られた庭 (Sheltered backyard)
333x242(F4) / Oil on canvas / 2016

みんなあつまれ
ここは護られている
いつでも
何の心配も要らない
夕陽とひまわりと裏木戸の思い出

60,000(仮縁付き)




2016年5月18日水曜日

燃費計測不正はメーカーだけが悪いのか

ちょっと前に、三菱自動車が軽自動車の燃費を良く見せかけるために、燃費データを改ざんしていたというニュースが巷を賑わせました。

数日前には日産のディーゼル車が韓国で燃費の改ざんをしていたとの疑惑で刑事事件になりそうな気配。まあこれはおそらく濡れ衣でしょうね。
そして今日はスズキ自動車です。

三菱は以前から軽に限らず実燃費との乖離が大きいのは噂になってはいましたが、スズキの場合、どうやら国が定めた試験方法で測定し直しても燃費は変わらないということで、じきに沙汰止みになりそうではあります。

いずれにしても不正は不正ですが、中には「騙された」などと宣う向きもネットに散見しています。

しかし、僕から見ると、どの案件も「メーカーが不憫」という印象しかありません。

例えばヨーロッパ車の場合、実燃費は
常にカタログ値の±10%前後。-10%ではなく、「±」です。
日本車の場合たいてい-20〜-30%。酷いのになると-50%(新車による実体験)。どんなに頑張ってエゴもといエコ運転してもカタログ値は到底無理。

三菱やスズキだけじゃない。
昔からです。

実燃費と程遠い燃費測定を許している法律そのものも問題だし、それでよしとしてるユーザーもですよ。

カタログデータだけを見て燃費の良し悪しを決める。実際に数十パーセントの乖離が出ても誰も文句を言わない。

それでいて二言目には燃費燃費とそればかり。

「日本車が一番!」という人ほどそんな傾向があるようにも思えます。

燃費は大事です。

しかしレシプロエンジンである限りエネルギー効率には限界があります。
夢のような燃費を望むというのは無知というものです。

いささか古い計測方法ですが、10モード15モードによる燃費で見た場合ここ40年それほど劇的にはクルマの燃費というのは改善されてはいないのです。

実情に合わないという理由で新たに制定されたJC08モードですが、これとて基本的には10/15モードと変わったわけではありません。実質両者の違いはほんの僅かです。

ところが世間のイメージ的には燃費は時代とともにどんどん良くなっていると思われている。

スズキスイフト(1.2L)の場合、カタログ値はリッターあたり21km/lです。
実燃費はリッターあたり16km〜17km。
実に立派なものです。
でもね、これは30年前のリッターカーと似たような数値です。

ただ安全装備やなんやかんやで重量が増えた分、メーカーは苦労している。
30年前と同じエンジンでは当然この燃費は出せません。
エンジンの効率も確かに上がっています。

しかしこの低燃費の達成が今、主に何でなされているかというと、燃料噴射とアクセルレスポンスの制御です。
アクセルペダルをガバッと踏んでも、コンピュータがブロックしてリニアには燃料はエンジンに運ばれない。
たいていのクルマはこのカラクリで燃費を稼いでいる訳です。
だから加速はあんまり良くない。

スバルレガシィのもっとも出力の小さな2.0Lのエンジンのカタログ値は13km/l。しかし実燃費が8km/lを上回ることは稀でした。

スバルという会社はバカ正直なところがあって、フールプルーフで燃費を稼ぐようなことはしない。
しかしそれでもやはりカタログ値は盛って盛って盛りまくった数値が書かれています。
バカ正直な会社にしてこれです。

これが何を示しているのか。
それはメーカーが不誠実だからではありません。
意味のない計測方法を強いる法律と
その名目燃費ばかりを気にしてクルマを選ぶユーザーに合わせているからです。

その親玉が「ハイブリット車」です。
あれは今の法律による計測法でもっとも成績が上がるクルマです。

スイフトはとてもいいクルマですが、加速性能をきちんと出そうとすればおそらく実燃費はもっと高く(悪く)なってしまうでしょう。
しかしそれではハイブリッド車の名目燃費とまともに戦えない。
だからいろいろ小細工をしてエンジンをデチューンして名目燃費を稼ぐ。

しかし実際の運転ではこんな燃費は決して出ない。実際の走行時の加速やアクセル開度、空気の抵抗、路面抵抗にあまりに差があるからです。

この現代において、オドメータと満タン法によって愛車の燃費を把握している人が一体どれだけいるでしょうか?
(クルマのコンピュータの燃費計測計は5%程度の誤差があるので正確ではありません。)

実際、クルマというのは
燃費を良くしようと思えば動力性能が犠牲になる。
市街地で燃費がいいクルマは高速では良くない。
高速で燃費がいいクルマはしがいちでは悪くなる。
レシプロエンジンのエネルギー効率には限界がある。

常にこの矛盾と戦ってるわけです。

この辺の矛盾を最近の小型ヨーロッパ車は力技で解決しちゃってますよね。

つまり
エンジンを極力小さくする。
スーパーチャージャーや低圧縮ターボで低速トルクを太らせる。
低燃費を気にしてアクセル開度を抑えればそれなりに低燃費で走れる。
追い越し加速など俊敏な加速が必要な時はターボを効かせて走る。
巡航の際はどちらも最小限の効きになる。
結果的に、パワーは排気量比2倍程度のエンジンと同等となり
燃費は排気量比1.5倍程度のエンジンと同等となる。


僕自身はハイブリッドも低圧縮ターボもあまり好きではありませんが、テクニカル的にはハイブリッドよりもターボの方が王道ではないかと思います。

ハイブリッドは実際の使用場面によって著しく燃費が変わってしまう。
電気で走る距離を多くしないかぎり、ストップアンドゴーの多い場所でしかそのメリットを味わうことが難しいのです。
電気で走るのがいいなら、電気自動車に乗ればいい。

もっとも環境負荷という意味においてはハイブリッドもEVも決して優等生とは言えない。
ヨーロッパ車のダウンサイジングターボは燃費そのものよりも環境負荷を念頭に置いているのです。
もうこの時点で着地点が全く違うのですが、この話はまた別の機会に譲るとして……。

何はともあれ
メーカーは我々が普段使う状況での実燃費に近いデータをカタログに載せるべきです。
そのためには我々ユーザー自身がもっと燃費以外の部分にも目を向けてクルマを走らせる必要があります。









2016年5月17日火曜日

ワイパー動かなくなる



昨日あたりからワイパーがうんともすんとも動かなくなりました。
ヒューズは正常です。たぶんリレーじゃないかなあ。

クルマ屋さんに連絡したら「とにかく持ってきて下さい」って、雨降ってます。

夕方ぐらいからやむみたいですが。

ネットを見ると、リレーは対策対象部品になってるらしく、対策前がシーメンス、対策部品がタイコエレクトロニクスのようです。

まあ17年ももったんだから、良い歩留まりと思います。


タイコって医療器やエンプラ系だけかと思ったら電子部品もやってるのねー。

「対策部品にはTYCOって書いてある。中国製?」なんておっしゃる人もいますが、TYCOは世界有数のハイテク系のコングロマリットです。


さて、ワイパーは以前から間欠と雨滴センサが不動でしたので、おそらくどこかでスイッチが壊れているとは思ってました。
今回、普通のワイパー(低速と高速)も不動になり、改めて配線図を見ると、一個のリレーで全部をまかなっているみたいです。
以前から寿命だったのですね。

クルマって、乗れなくなるほどのトラブルになる前に必ず走行に支障のない不具合が起きると言いますが、こんな小さな部品もそうなのだなあと再認識しました。



2016年5月13日金曜日

Dunhill My Mixture BB1938



ダンヒル・マイミクスチュア・BB1938
使用葉:ヴァージニア、ラタキア
原産国:イギリス
価格:1750円/50g(2016)

昨年暮れあたりから日本国内でも見かけるようになったダンヒルの新製品です。が、大元は戦前から存在しやがてダンヒルのtobacco撤退で消えたBaby'sBottom というミクスチュアの復刻版です。
残念ながらBaby'sBottomを味わった経験がないのでオリジナルとこの復刻版的BB1938がどう違うのかは分かりません。



生葉の香りは鮮烈なラタキアとヴァージニアのハーモニーです。それ以上でもなくそれ以下でもない、しかし実に心地の良い爽やかなものです。

喫味は終始軽く爽やかです。
いや、それはダンヒルのド定番、マイミクスチュア965との比較でのことです。
缶のデザインが良く似ているので、否応なく比較してしまいますが、傾向は似ているようでだいぶ違う方向性を向いています。

例えば965のむせかえるような複雑なアロマはありません。ガツンと来るバイトやまとわりつくようなオリエントの絡みもありません。その代わりラタキアのスパイシーなアロマとヴァージニアの爽やかな甘味が強調され、くっきりしたコントラストと単純明快で分かりやすい素性を持っています。

火付、火持ちとも申し分なく、序盤から薄めですがヴァージニアの爽やかな甘みとラタキアの薫香を存分に味わうことができます。そして後半に行くに従ってふくよかな風味が増してゆきます。


この葉の最大の美点は、ドローアンドブローに全くと言っていいほど気を使わなくて済むというところでしょうか。
大きなボウルでも小さなボウルでも、ぞんざいな喫い方をしても用心深く喫っても、味が大きく変わることがないのです。

個人的にはこれからイングリッシュミクスチュアやラタキア入りの葉を始めてみようと思う方に最適と思うと同時に、ベテランにとっても常喫葉としても全く申し分のない実にシンプルで飽きの来ない軽いキャラクターを持った葉だと言えると思います。
MM965がややクラシカルなイングリッシュミクスチュアだとするなら、このBB1938は例えばマクレーランドのようなより現代的で軽やかさを強調した葉だと言えるでしょう。
ニコチン酔いの心配も、舌荒れの危険性も殆どありません。

もしも965と同様に手軽に街のタバコ屋さんで手に入るなら、「とりあえず」の定番として常備しておく価値はあります。

良いtobaccoです。

2016年5月11日水曜日

「早春」 In early spring




「早春(In early spring)」
530x455(F10)/Oil on Panel/2016/Chihiro SATO

春の到来を告げるもの
暖かなもの、冷たいもの
やさしいもの、厳しいもの
雪解け、うねる波
希望、心のなかに抱えたもの
明るい、弱々しい
刻々と変わりゆく陽の光

The usher in the spring
Warm ones, cold ones
Friendly ones, tough ones

Thawing snow, undulating wave
hope, some of the mind
Bright, feeble
The changing light by the sun

池のある庭 Pond Garden


「池のある庭」Pond Garden
333x242(F4) /Oil on Canvas / 2016

山を越え
水面を渡って
頬の汗を拭う
光と風

40,000(仮縁付き)

2016年5月5日木曜日

作品説明会

いつか個展で作品説明会をやってみたいなあと思っています。
毎日、予め告知した時間に作品のコンセプトや意図について説明するのです。

解釈の深まり。
絵画鑑賞への鑑賞者独自の視点の誘導。

YouTubeで作品についての説明ビデオを作りたいとも考えています。

2016年5月2日月曜日

サトチヒロ個展2016「未来心象」にお越しいただき、ありがとうございます。

4日間に渡る、サトチヒロ個展2016「未来心象」
無事終了することができました。
お越しいただいた皆様、本当にありがとうございます。
今、心から感謝でいっぱいです。

本当は一人ひとりにお礼申し上げたいところですが
この場を借りてひとまずは、ご来場、本当にありがとうございました。





さっと駆け足で見て行かれる方

じっくりと時間をかけ、椅子に腰掛けて堪能される方

どこかのお店で見たハガキを頼りに来ていただいた方

2日連続で見に来てくれた方

一度帰ってまた戻ってきて価格を聞きに来てくれた方

説明に一心に耳を傾けてくれる方

感想や解釈があまりに的確で作家がびっくりするほどの方

他の人にも教えるからとパンフレットをまとめて持って帰ってくれる方
何十年ぶり、十数年ぶりに個展のことを聞きつけて訪ねてきてくれた旧友





絵をもっともっと見て欲しい。
もっともっと楽しんで欲しい。
時間をかけて絵の世界の素晴らしさを一緒に分かち合いたいです。

巨匠の絵でなくても、何十億円もする名画でなくても
惹かれる絵に出会って
じっくり時間をかけて、座ったり、寝そべったり、立ったりしながら
リラックスして向き合うと、本当に自分の世界に新しいヒントや勇気や
世界観が生まれてきます。
僕自身も何枚ものそんな絵に出会ってきました。

そんな絵は必ずあなたの心に瑞々しい生きるエネルギーをくれるでしょう。
その時、それは芸術に昇華してゆきます。

そんな絵が描ける絵描きを目指してこれからも精進します。


個展、またやります。
何度もやります。

日常的に誰もが気軽に絵の世界を楽しめるように
「サトチヒロの絵、いつでも見れる、見に行こう」と言われるように
そして「手元に欲しい」とみなさんに言われるように。






友人が、丁寧な紹介動画を作ってくれました
ありがとうございます。
行きたくても残念ながら行けなかった方も雰囲気を味わえるかも。