2014年12月16日火曜日

Samuel Gawith Commonwealth



サミュエル・ガーウィズ・コモンウェルス
使用葉:ヴァージニア、ラタキア
原産国:イギリス
価格:1900円/50g(2014)
ド直球勝負のラタキアブレンド

ヴァージニアとラタキアが50/50のミクスチュア。
ダンヒル965と良く似たキャラクターを持つが、965の方はオリエント葉が配合されその分ラタキアが若干少なめになっているのに対して、コモンウェルスはオリエントは使われていない。

開缶するとラタキアの薫香がもわっと立ち上る。
リボンカットは太め、長めでとてもしなやか。上質なミクスチュアだとひと目で分かる。
火付き、火持ち共に申し分ない。

序盤、ラタキアの旨味と薫香が立ち上りながらマイルド&スムース。
中盤、ヴァージニア特有の甘みがぐんぐん増してくる。思ったよりはラタキアは主張しない。
終盤、喫味、アロマとも殆ど変化なく終了。甘みの余韻。

ダンヒル965に良く似たキャラクターだ。
単純に比較すれば、喫味の奥深さと甘やかな風味はコモンウェルスに、喫味のシャープさとアロマの豊かさはダンヒル965に軍配があがる。

特に終盤、葉がストーブされてからの差はかなりあって、喫味の方はコモンウェルスに使われているヴァージニアの質の良さがとても良くあらわれる。本当に素晴らしいヴァージニアだと思う。サミュエルガーウィスのヴァージニア特有の、淀みのない滋味ある甘みは気持ちをゆったりとさせてくれる。
ダンヒル965はそれ比べると、若干ヴァージニアの質が落ち雑味も多く、特に終盤の喫味を上手に引き出すのがとても難しく、うっかりすると惰性に陥りがちになる。

その分アロマの方は965はヴァージニアの弱さをオリエント(ターキッシュ)が補って余りあり、複雑さと新鮮さ、中庸を両立させた形容のし難いアロマを提供してくれる。これが僕が965をやめられない理由の一つになっている。コモンウェルスの方はアロマに特段の変化が起きず、終了のサインが全く分からないことさえある。逆に言えば素直な性格。

「バルカンブレンド」と称する人もいるし、カタログでは「バルカンソブラニー」と対比させている。ソブラニーはともかくこれをバルカンとするならダンヒル965もバルカンと呼んでいいだろう。そして965の方がよりエキゾチックである。
故にコモンウェルスがバルカンかどうかはどうでもいい。むしろ純粋かつ上質この上ない典型的なイングリッシュミクスチュアだ。そしてそれでいいと思う。ラタキアがヴァージニアの甘みを、ヴァージニアがラタキアの旨味を最大限に引き出してくれているのだから。同社のGrouseMoorや、Perfectionよりもさらにヴァージニアを楽しめる直球勝負のtobaccoだ。


時間帯は夕刻から夜。
舌荒れの可能性は中程度、ニコチン酔いの心配はない。
合う飲み物はウィスキー、水、コーヒー。



  1. 生葉芳香 弱←○○○○○○★○○→強
  2. 甘  み 少←○○○○○★○○○→多
  3. 味の濃淡 淡←○○○○○○★○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○★○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○★○○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○★○○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○○★○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○○★○→良
  9. 常  喫 無←○○○○○○★○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○★○○○→強






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