2014年9月30日火曜日

Bell's ThreeNuns



ベルズ・スリーナンズ
バージニア、ペリク(ケンタッキー)
無着香
原産国:デンマーク(オリジナルはイギリス)スカンジナビアンタバコOEM

ペリクパイプ葉のメジャー代表格のひとつがスリーナンズだ。

これまで何度か「ペリク」の味わいについて書いてきたけれど残念ながら現在、パイプ葉においては本物のペリクにはまずお目にかかれないと言ってもいいと思う。スリーナンズも本家本元のペリクは使用されていない。

ペリクの定義は、厳密には「産地」「品種」「加工法」の3つが狭義で限定された加工葉のことを指す。
産地はルイジアナ州のごく限られた地域、品種はそこでしか栽培できない種類のバーレー種、そして加工法は圧縮された長期嫌気熟成されたたばこの漬物である。この3つの条件を整えない限り、どんなに製法を正確にトレースしても同じ味は再現できないという。
ハバナシガーがハバナ以外の場所で同じ種と栽培法を守っても、どうしてもハバナに及ばないのと同じように、ペリクもまたルイジアナでなければペリクではない。

現在本家本元のペリクはアメリカン・スピリットで独占使用されており、それ以外のTobaccoでペリクと称しているものは、全てケンタッキー州で同じ製法で作られるものを指す。
そしてケンタッキーペリクは本来のペリクとは全く違うと言われる。

となればスリーナンズもまた「ペリク」であるとはなかなか宣言はできない。内外の古参スモーカーのレビュー表現を借りれば、かつてのスリーナンズとは似て非なるものであるとのことだが、僕は残念ながらイギリスで作られていた頃のオリジナルの味は知らないので、現代のデンマーク製スリーナンズでレビューを書くしかないのだが、その範囲で味わいの結論から先に言えば、スリーナンズは紛うことなきペリクのそれを持っているとは言える。

ペリクがアメスピでのみ使用されているとすれば、ペリクの喫味のベンチマークはアメスピ「ペリック」を頼るしかないのだが、そのアメスピ「ペリック」の味わいに近い。

狭義3つの条件を揃えたペリクの100%葉は、酸味、甘み、そして強烈な熟成香を伴うが、クセが強いので単体で使われることはまずあり得ない。アメスピ「ペリック」もまたバージニア主体で、オリジナルのアメスピに少量の「本家ペリク」がブレンドされているのだが、その量は全体の葉色から言ってもおそらくごく少量である。
しかし「アメスピペリック」の味わいは、喫味、アロマ、喫後感のどれをとっても他のtobaccoとは一線を画す深みを持つ。

ペリクは主にバージニアにブレンドされることで真価を発揮するが、その変化は生葉の時ではなく火を付けた瞬間から始まる。
バージニア特有の甘みに奥行きと爽やかさを、アロマに独特の熟成香を、そして喫後感はジンジャーエールやルートビアのような清々とした満足感が加わる。

しかしバージニア単体との違いは実に微妙で、他のブレンドtobaccoのようなわかりやすい熟成香とか喫味のクセとかにはないものだ。ペリクの真価はやはりペリク入りのバージニアを味わうことでしか得られないところがある。

スリーナンズもまた生葉の状態ではそれほど強い個性があるわけではない。
それはバージニアtobaccoであると言っても済んでしまうほどのもので、よく言われるような「酸味」とか「強烈な発酵臭」というような単体ペリクを表現する特徴とはかけ離れており、穏やかだ。

葉様は小さめのコインカット。未熟成のバージニアとケンタッキーペリクが5:1程度の割合で巻かれており、それが輪切りになっている。やや乾燥気味だが湿度は保たれている。
標準的なボウルの場合、このコインを5〜6枚、軽くほぐして詰める。

ほぐし方は軽く形が崩れる程度、詰め方はやや緩めに、火を付けてからタンピングして少し圧縮してやると良い。
火付き、火持ちとも申し分なく、着火と同時に若いバージニアの青臭いアロマが周囲に広がる。

もしもバージニアだけならこの青臭さとぺったりとした甘みが全般を通じて続くだけなのだが、スリーナンズは火が安定した頃からペリク特有の爽やかな甘みと酸味が加わる。
アロマは中盤付近から終盤にかけて熟成された刺激が加わり、程よい陶酔感に包まれ始める。それはまるで若いハバナシガーをやっているような感覚だ。

そろそろ終わりかなと思う頃、高原の空気を胸いっぱいに吸い込んだ時のような清涼感と名残惜しさがやってきて「おかわり」が欲しくなる。

前回のコーネル&ディール・アダジオとの違いは、アダジオが熟成香でいっぱいになるのに比べ、スリーナンズはあくまでも爽やかなキレのある甘みで終わるという点だ。穿った言い方をすれば、やや奥行きに欠ける。
かつてシガレット喫いだった頃に「美味いなあ」としみじみ感じながら喫っていた時のことを思い出すが、パイプ葉としては旨味には若干欠けるかもしれない。
この不足感はペリクの割合が少なすぎるか、ケンタッキーペリクそのものの個性が弱いというところにあるのかもしれない。ただしその分飽きもなく、常喫性も高く普段使いのタバコとしては申し分ない美点を持っていると思う。

舌荒れの心配はない。時間帯は朝〜昼。合う飲み物は水、ビール、紅茶など。

  1. 生葉芳香 弱←○○○★○○○○○→強
  2. 甘  み 弱←○○○○○○★○○→甘
  3. 味の濃淡 淡←○○○○★○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○★○○○○○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○★○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○★○○○○○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○★○○○○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○★○○→良
  9. 常喫可能 無←○○○○○○○★○→有
  10. 個  性 弱←○○★○○○○○○→強

2000円/50g(2014)


2014年9月23日火曜日

Flandria Black


フランドリア・ブラック
原産国:ベルギー

パッケージには「Dark air cured and fired」とある。つまり「空気乾燥した後、ストーブ(低温で煎った)葉」という意味で、いわゆる「黒タバコ」の部類に入る。「葉巻に喫味が似ている」と称されるが早い話ジタンやゴロワーズと同類のもので、葉巻とは製法も原料葉も異なる。実際には乾燥して煎るだけでなく積層発酵もさせている。故に生葉の香りは熟成香となる。
葉様はシャグで非常に細かい。
生葉の香りは一言で言えば「馬草または腐葉土のにおい」だ。しかしゴロワーズ等と比べるとその独特の香りはずいぶんと控えめ。

シャグカット葉をRYOで喫う場合、ローリングマシンで巻くとどうしても細くなりがちになる。加えて刻みが細かいため、葉詰めをキツめに巻くことになる。そうなるとどうしても味の線が細く鋭くなり、喫味がいまいちハッキリとしなくなってしまう。フランドリアブラックの場合はそれが顕著で、細身に巻いて生葉の芳香を頼りに喫っても味もアロマもぼやけてしまって美味しくない。基本的に手巻きにして太めに巻くのが良い。

実はこのフランドリアブラックは数カ月前に買い求めていたのだが、往年のジタンの風味を期待したせいか、やや物足りない部分もあって、開封後すぐに放置していた。
今回の印象を書くに当たり加湿保存していた残りの葉をしばらくぶりに取り出し、RYOとミニパイプの両方で喫ってみた。

生葉のあのむせ返るような香りはやや飛んでしまっていたが、燻らした時のアロマは熟成感が増していた。
もちろんRYOでも旨いのだが、ミニパイプに詰めて(燃え方が速いので詰め方や喫い方に注意が要る)みると、ココアのような風味に出会うことができる。

黒タバコの特徴は、ニコチンが少なめで甘みはなくアロマが豊かだというところ。味というよりはアロマを味わうために燻らすところがあって、誰かが喫っていると周囲はすぐに「あ、黒タバコだ」と分かる。
喫味は基本的に終始渋いがクール&スロースモーキングを心がけて上手に喫うと、コーヒーやココアの様な喫味が出てくることがある。ゆえに本来的に黒タバコは燃焼剤の入らないRYOやパイプに向いている。

特にフランドリアブラックは、往年のジタンのような独特の渋みとエグみのある「いかにも通好み」なタイプではなく、風味は似ているが優しくマイルドでその辺が引き出しやすい。ニコチン酔いの心配もなく気軽に楽しめる。個人的には、シャグカットではなくせめてファインカットぐらいの方が風味が豊かな気もするが、これでも加湿を十分にし太めに巻いてクール&スロースモーキングに徹すると思いもよらなかった複雑な味わいに出会えることは間違いない。初めて黒タバコを喫ってみたいという人にとっては最適だと思う。

価格が安めだが30gと他のシャグに較べて少ない。50g換算すると1100円でコスト的にはやや高めのシャグの部類に入る。
バージニア系に慣れた人には常喫性には劣るが、混じり気のない黒タバコを味わうために常備しておいて損はない。


660円/30g(2014)
  1. 生葉芳香 弱←○○○○○○★○○→強
  2. 甘  み 少←○★○○○○○○○→多
  3. 味の濃淡 淡←○○○★○○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○○★○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○★○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○★○○○○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○★○○○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○○○★→良
  9. 常  喫 無←○○○○★○○○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○○★○○→強

2014年9月16日火曜日

Cornell & Diehl ADAGIO



コーネル&ディール・アダジオ
バーレー種、ラタキア、バージニア、ペリク、トルコ、
無着香
原産国:アメリカ(ノースカロライナ)

行きつけのタバコ屋さんで「ペリクを強めに感じられるの、何かないですか」と尋ねたら、棚の奥からこれを出してきてくれた。「ただしバランスはあまり良くないですよ」。

見ると「Morganton NC」の表記。アメリカ製と知って一旦はスルーしかけた。なぜなら過去、アメリカ製のパイプ葉と言えば工業製品でありチューインガム風の着香物か添加物だらけのイメージしかなかったからだ。しかし僕のそのイメージは1980年代のもの。

コーネル&ディールは創業はなんと1990年。それまでのアメリカタバコの常識を破るピュアでこだわりを持ったtobaccoを提供してくれる新しいブランドだそうだ。20世紀末以来、アメリカではこうした小規模のファクトリーが次々と生まれている。コーネル&ディールはその元祖的存在。

ノースカロライナ州はアメリカ東部(いわゆる南部に属する)、古くからタバコの生産地として北隣りのバージニア州と共に歩んできた。その内陸部の町のモーガントンという町のファクトリー、コーネル&ディールのライナップはtobaccoreviews.comによれば100種類を超えている。日本で正規販売されるのは10種類。



パッケージはブッシュ&プルのアルミ缶。開けるとラタキアの強い芳香が印象的。
葉様はミクスチュア。やや乾燥気味で、摘むとほろほろとほぐれる。ラタキアの芳香に交じって微かな発酵香。
パッケージには
「Cubed Burley, Latakia, VA flake, Perique and Turkish」とある。
一見、キューブドカットの葉は含まれているようには見えないが、レディラブドな小さなコインカット状の葉がそれだろう。

火を付ける前、付けた瞬間、全てにおいてラタキアの強いアロマと渋み。

火付きはまあまあ。甘さは全くない。煙量は多め。ガツンとキック。直感的にこれは努めてゆっくりと燻らすべきと感じ、ドロウ(吸い)よりブロウ(吹き)に丁寧に意識を集中する。…と奥の方からじんわりとバージニアの甘みが昇ってくるが、肝心のペリクは相変わらず感じ取れない。これは正真正銘ラタキアタバコだ。

「ん?もしかしておじさん、ラタキアとペリクを聞き間違えた?」
カタログを見るとラタキア50%とある。だが確かにペリクもブレンドされているようではある。甘臭い発酵臭にそれを一応は感じることはできる。

アメリカタバコと言えばバーレー種だが、バーレーは素のままでは甘みはなくたいていの場合はケーシング(着香、着味)されているが、これは全くその気配はない。
実際、序盤の喫味はとにかくビター。渋くて苦くて辛い。舌荒れとは違う、しびれるようなパンチ&キックの連続。アロマはラタキアとバーレーのややナッツな感じのハーモニーで好感が持てるが、自分の味蕾がどうにかなってしまいそうな不安感にすらかられるほどストロングだ。

火が安定してくると、それが少しずつ変化してくる。とにかくスローバーニングに徹して煙量を少なく心がけていると、やがて日なたの干し草のようなややこっくりしたアロマが周囲を満たし始める。と同時に喫味の方にもコクのある柔らかい酸味が交じる。

主役は相変わらず固めのラタキアとバーレーが幅を利かせているが、確かに奥底でペリクが下支えして、ビターに厚みとコクを与えていることに気づく。
さらにほのかに甘い喫味が表に出てくる。
「うん、ペリクだ。」
ペリクは単体でペリクなのではなく、ブレンド母体のtobaccoを下支えして深くコクのある味わいに変えてることでその存在を知ることができる。

終盤にかかると、本格的にペリクとバージニア(影響を受けたバーレーかもしれない)が主旋律を奏で始め、ラタキアが沈み込む。日なたの松林で、採ってきたきのこや山ぶどうを広げているような遠い記憶が蘇る。チョコレートのようなフレーバーも出てくる。

「なんだこれは!」

形容のし難い不思議なtobaccoだ。序盤と中〜終盤で全く印象が違う。

ブレンドの、無着香のバーレーとラタキアが主体、ペリクにトルコタバコ、申し訳程度にバージニアという構成は、字面だけ並べればまるでハードボイルドである。そもそもラタキアとペリクを一緒にするという発想が僕には初体験であり、ちょっとしたカルチャーショックだった。コーネルディールのラインナップを見ると、ラタキアとペリクのブレンドが思いの外多い事にも気がついた。

しかしこれも有り。
ブレンドが最初から最後まで渾然一体となるのではなく、時系列で主役が代わる。
初めは強烈なラタキア。そこにバーレーの青臭さが絡む。
その強烈さをペリクがさらにクセのある印象に仕立てる。
やがてバージニアとペリクのハーモニー。
最終的に、それら全てがバーレーとトルコタバコに染みこんでストーブされて大団円。

クライマックスは明らかに終盤だ。
深いアロマが感覚を満たし、熟成の進みきったウォッシュタイプのチーズと若くて渋いフルボディのカベルネソーヴィニヨンを合わせたようなアンバランスな渋みと熟成の喫後感で終わる。

一度で何度も美味しい、お得なtobacco。
「ペリクを存分に感じる」という意味ではちょっとベクトルは違うかもしれないが
複雑でビターでキックの中にあるtobaccoの本来の醍醐味、快楽が潜むという意味では
ペリクの存在感は十分だ。
美味いと感じるかそうでないかは人による。紙一重。
僕は「旨い!」と素直に感じた。
ただしパイプ初心者には決して薦められない、ベテラン向けの変態ミクスチュア。

僕自身はまだ到底その域には達してはいないが、散々世界中のタバコを燻らしてきた挙句、一周してしまったようなベテランスモーカーにとっては新鮮な一服を提供してくれるに違いない。

難しいが、その魅力を引き出す価値は十分ある。
アメリカ人がこんなひねくれたtobaccoを作れるとは、感服。

Cornell & Diehl の他のラインナップもぜひ味わいたいと感じたが、国内販売価格が高すぎるのが難点。国内2600円。本国では13ドル前後、ネットを覗くと通販の実売で9ドルを切る場合もある。課税・シッピング・利益加算されたとしても正規ならせいぜい2000円前後に抑えられないだろうか…というのが正直な印象。



時間帯は夕食後〜深夜。個人的には朝、寝ぼけた味覚と嗅覚に喝を入れるのにも重宝している。
火付き、火持ち、舌荒れは標準的。ニコチン酔いの心配はあまりない。
合う飲み物は、ウィスキー、スピリッツ系など。意外にコーヒーも合う。


  1. 生葉芳香 弱←○○○○○○★○○→強
  2. 甘  み 弱←★○○○○○○○○→甘
  3. 味の濃淡 淡←○○○○○○○○★→濃
  4. 熟成感  若←○○○○○○★○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○★○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○○○★○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○○★○○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○★○○○○○→良
  9. 常喫可能 無←○○★○○○○○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○○○○★○→強

2600円/56.7g=2oz (2014)







2014年9月14日日曜日

BC 1320 (Alhambra)




名称:ブッショカン・1320(アルハンブラ)
形状:フルベント
製造国:フランス
ボウルチャンバー:内径20mm、深さ40mm
フィルター:9mm
平均喫煙時間:90分以上

BC(ブッショカン)はフランス最大のパイプメーカーで、普及品から高級ラインまで数多くのバリエーションがある。
昔パイプを始めた頃からBCにはお世話になっているが、普及品でもブライヤーの品質が良く、またフォルムも手に馴染むオリジナルデザインが多く、この1320もまた手放せない愛用品になっている。

1320は前出のピーターソンと少し似た煙道のシステムを持っている。全く同じではないが、やはりボウルから流れる煙は直接マウスピースに繋がるのではなくジュース溜まりを経るようになっている。
このオリジナルシステムはやもするとピーターソンを凌ぐのではないかと思わせるほど良い。もちろんドローイング時のジュース混入は皆無。

やや大径でしかも深いボウルは、どっしりとした喫味が特徴で、tobaccoの本来の味を最大限に引き出してくれる。またクールスモーキング&スロースモーキングも容易でフレークの場合2時間をゆうに超える喫煙が可能だ。

外観上もう一つの大きな特徴に、マウスピースのリップ幅が通常より広い事が挙げられる。一般的なパイプのリップより2mm以上広い。咥えた時の安定感は抜群でパイプの大きさを感じさせない快適さがある。またそれが煙量を多くしてくれるので喫味が豊かになる。

ベントの良さは、なんといっても煙道の長さを稼ぎながら、ボウルから立ち上るアロマもしっかりと味わえるところにある。
この1320は咥えた時にボウルがやや顔に向かって開くようになっており、理想的なフォルムをしている。

このパイプの欠点は煙道の掃除時ぐらいだろうか。煙道がストレートではないため常にシャンクとマウスピースを外して行う必要がある。しかもテーパ式ではなくねじ込み式なので、扱いには注意が必要だ。
9mmチャコールフィルターが使えるがもちろん外して使った方が良い。






2014年9月12日金曜日

桃山II (Momoyama II)




桃山II
バージニア他 着香
原産国:デンマーク
ブランド:日本(JT)

日本たばこ(旧専売公社)にはイギリス風ミクスチュアの「飛鳥」とコンチネンタル風着香系ミクスチュアの「桃山」という二つパイプたばこがあった。

現在も、デンマークのマクバレン社のOEMで販売が続けられて、それぞれ「飛鳥II」「桃山II」という名前になっている。

2014年11月から桃山は「桃山III」にモデルチェンジするというので、その前に「II」を味わっておきたいと思う。

葉様はリボンカットのミクスチュア。開封した瞬間、甘い洋酒漬けのような芳香が広がる。「ん?」と思い当たり注意深く嗅いで見る。

SweetDublinとよく似ている。似ているがもっと華やかで明らかに着香系という感じだ。

補足情報を求めて複数のテイスティングのサイトを巡ると「ラム着香」という言葉に複数つき当たる。

先入観を持って嗅げば確かにラムと言えなくもないが、ラム酒好きの僕からするとこれを「おお!ラムだねえ」と言うのはちょっとはばかられる。

桃山IIのこれは、ラムといってもおそらく廃糖蜜によるスピリッツとカラメル、フルーツ香料による着香と思われる。まあ、それでもウソにはならないのだが、ゴールデンバットにせよ桃山にせよ「ラムの香りがします」と軽々しく表現はできない。

ただしこの洋酒的な芳香は決してけれん味のあるものではなく、他の着香系tobaccoに比べたらよく抑制の効いた穏やかな感じで好感が持て、燻らした時のアロマにその特徴がよく現れる。

火付きも火持ちも申し分ない。ほぐしも馴染ませも要らず、無造作にパイプに詰めても何の苦労もなく喫える。

序盤はやや複雑なアロマが支配する。干し草、カラメル、ぶどうの香り。煙量は多めだが、総じてマイルド。
喫味はとても軽い。軽いというより、第一印象は「味がない」である。バージニアの甘さを期待するとやや肩透かしを食らうかもしれない。

中盤は、如何にもタバコらしいアロマに変化してゆく。喫味にも「当たり」のゴールデンバットを燻らした時のような、微かだがキレのよい甘さが出てくる。
時折ほのかな酸味が顔を覗かせる。

スピリッツによるケーシングの良さが現れるのはこの辺で、とてもバランスの良い熟成感が喫味とアロマの両方からじわりじわりと顔を出してくる。

終盤は早めにやってくる。アロマは相変わらず好感が持てるが、喫味の方はエグみ、辛味が支配し始め、舌荒れの予感が迫る。この辺は他のコンチネンタル系のミクスチュアと同様。
ニコチン酔いの危険性はない。舌荒れはややある。パイプは大きめのものがおすすめ。

良くも悪くもマクバレンのtobaccoだが、日本人好みの優しいtobaccoであるとも言える。
総じてアロマが朗らかで良い。タバコらしさを失わず明るい感じだ。半面喫味の奥行きはない。奥行きはないが飽きもこない。逆を返せば喫味に余計な味がない分、初めてパイプを始める人のための導入tobaccoとしても優れていると思う。チェーンスモークも全く抵抗がない。

これがもし、もう少し生葉の着香を抑え気味にして、バージニア本来の甘みが少しばかり増したらもっと素晴らしいtobaccoになるに違いない。
桃山IIIへのモデルチェンジがそうであるように願う。


時間帯は朝〜昼。
合う飲み物は水、紅茶、コーヒー。

1290円/50g(2014)

  1. 生葉芳香 弱←○○○○○★○○○→強
  2. 甘  み 少←○○★○○○○○○→多
  3. 味の濃淡 淡←○★○○○○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○★○○○○○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○★○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○★○○○○○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○○○★○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○○★○→良
  9. 常  喫 無←○○○○○★○○○→有
  10. 個  性 弱←○○○○★○○○○→強



2014年9月9日火曜日

油彩は一番新しい表現方法です


生業の表現手段として
油彩、水彩、色鉛筆、パステル、写真、3DCG、PhotoShop、Illustrator
などの画材にひと通り精通してきました。

今でも、上のどれかで絵を描けと言われても困らないと思います。

油彩(OilPainting)は僕にとっては3番目に古い画材です。でも僕の新しい表現の殆どは油彩になっています。


「どうして油彩?」
「油彩はもう時代遅れじゃないの?」
と問われます。

それに対してははっきりと断言できます。

油彩は客観的に見ても、現在もっとも新しい可能性を秘めた表現手段です。

なんで?

なんでなのかはめんどくさいので書きません。
知りたい人は会った時にでも直接訊ねて下さい。
体系立ててないのでそぞろですが。

とにかく油彩はこれからの最高の表現手段になりうる可能性を秘めています。
それに気づいているのはまだごく僅かな人たちだけだと思います。
だから行き詰まったままかのように見えます。

でも様々な表現手段、画材を試してきた僕にとっては
油彩こそが無限の広がりを感じさせるもっとも有力な表現方法です。






Rattley's Old Gowrie



ラットレー・オールドゴーリー
バージニア、ペリク
原産国:ドイツ

マーリンフレークととても良く似たキャラクターのtobacco。

葉様はブロークンフレーク。マーリンフレークよりもほぐれていて、ほぼレディラブドの状態。
葉の香りは熟成香がありヨーグルトのような甘酸っぱい香り。

火付き、火持ち共に非常に良い。開封直後でも殆ど乾燥が要らずそのままパイプに詰めてしまえる。



喫味は非常に軽い。
序盤、バージニアの甘さは強くない。その割にアロマはしっかりしており背骨のあるやや深みのある熟成香が感じられる。ダンヒルのロイヤルヨットとロンドンミクスチュアの中間ぐらい。

中盤もさほど喫味、アロマとも変わらず安定した軽さ。ただそれまで控えめだったペリクがやや主張を始める。
終盤に近づくに連れてその色は濃くなる。やや甘みにパンチが増してくるが安定した喫味とアロマだ。舌の奥にじんわりした甘みと充実感が残る。

喫い方にもよるが、中途半端に熟成されたバージニアは終盤思いもよらない変身をすることがある。それは良くも悪くもそのtobaccoの個性を決定的にするが、半面序盤とは似ても似つかないキャラクターに変化することに悩まされることもしばしばだ。
時に、最後の方は自分が一体何を喫っていたのか思い出せない……なんてこともある。
そういうtobaccoは舌荒れもひどくなる。こうなるとどんなに序盤が旨くても常喫の主流にはなりにくい。

オールドゴーリーはそんなことがない。
ペリクがバージニアのキャラクター変化を抑えてくれる。最後の最後までスッキリとした爽やかさを下支えして、軽々しくなったり荒くなったりするのを抑えてくれる。

ペリクは元々あまり主張しすぎると嫌味のある酸味としつこいアロマに悩まされる。
しかし程よくブレンドされると一変する。主役のバージニアの若さや爽やかさを引き立てて、熟成の足りない部分を助け、程よいコクを最後まで補うように振る舞ってくれる。
それは終盤ほどはっきりと分かる。

マーリンフレークやオールドゴーリーはその辺のバランスがとても上手だ。日なたの香りに満たされて、ゆったりした煙がたなびくにつれて深く明るいリラックスに包まれる。
どちらもペリクそのもののキャラクターを求めるよりも、あくまでバージニアが主役であり、そこに情感が加えられていると捉えたほうがいい。
料理で言えば、味は強いが一本調子の昆布だけで旨味を採るのではなく、香りの出るかつお節や干しいたけと合わせて複雑な深みを出すのに似ている。
同じベースtobaccoでもペリクをブレンドしたものとそうでないものとでは、たとえペリクを感じなくてもまるで違うtobaccoになる。
ラタキアがブレンドされたtobaccoがラタキア色になるという現象とはかなりニュアンスが異なるのだ。

舌荒れはやや強めだがマーリンフレークよりは控えめで喫いやすい。薄味だがシンプルでtobacco本来のリラックスした喫味を最後まで味わえる。

僕は割と贅沢めに葉を残して終了することが多いが、オールドゴーリーに関してはその心配は要らない。最後の一葉まで灰にしても喫味を損ねることがない。

マーリンフレーク同様、キャラクターに比して価格が合っていないのが難点だが予算的に余裕があれば常喫tobaccoとしては優れている。
火付きや火持ち、詰めやすさの観点からもフレーク初心者にも安心しておすすめできる。
ニコチンの強さは標準的だがたばこらしい満喫感は低くないので、紙巻きの肺喫煙から移行した人にもお薦めしたいtobaccoのひとつだ。
個人的にはデイリーユースとしてマーリンフレークよりこちらに高い点数を付けたい。
素晴らしいtobaccoだ。

時間帯はデイタイム。
合う飲み物はコーヒー、紅茶、水。

2250円/50g(2014)



  1. 生葉芳香 弱←○○○○○★○○○→強
  2. 甘  み 少←○○○○○★○○○→多
  3. 味の濃淡 淡←○○○○★○○○○→濃
  4. 熟成感  若←○○○○★○○○○→熟
  5. アロマ  淡←○○○○○★○○○→濃
  6. 満喫感  弱←○○○○○★○○○→強
  7. 舌アレ度 弱←○○○○○○★○○→強
  8. 火持ち度 悪←○○○○○○○★○→良
  9. 常  喫 無←○○○○○○○★○→有
  10. 個  性 弱←○○★○○○○○○→強



2014年9月1日月曜日

水ぬるむ



「水ぬるむ」
F80 Oil on Panel
第99回二科展出品(入選)
©2014 Chihiro SATO(サトチヒロ)

1,600,000

水ぬるむ



「水ぬるむ」
F80 Oil on Panel
第99回二科展出品(入選)
©2014 Chihiro SATO(サトチヒロ)