2013年1月18日金曜日

天鈿女(アメノウズメ)


「天鈿女」(Ameno-Uzume)

F50・油彩・キャンバス・2013/1・佐藤千洋(ChihiroSatow)

2013年1月14日月曜日

Sorcerer/Mils Davis(1967)


Sorcerer/Mils Davis(1967)

NEFERTITIの前に出た、1960年代マイルス第二黄金期クインテット四部作のひとつ。このアルバムをマイルスの頂点と見なす人も多く、マイルスとその仲間たちはこの辺で完全にJAZZという括りを超えちゃってます。

このアルバムに関して何が凄いかというと、どこからどう聴いてもインプロ(即興)ありきの曲だろうという曲が、実は厳密なスコアがあって、全パートのフレーズを譜面化しながらレコーディングしたという話。本当か伝説か…もちろんアドリブも残されているようですが、どこからどこまでがアドリブかはもはや判別できません。
完全に「再生芸術」を目指した現代音楽と化しています。

確かにジャズならではのダイナミックなスリルは失われているところもありますが、その分ものすごく知的で、奥の深い演奏になってます。まるでバルトークを聴いてるような錯覚にさえ陥るのです。

いわゆるビバップをJAZZと思って聴きたい人にはあんまりおすすめできるアルバムとは言えませんが、正直に言って、マイルスと共に50年代のハード・バップ期を過ごしてきた他のJAZZミュージシャン達の、同時期(60年代後期)の演奏には結構聴くに耐えないものも多く、どれだけマイルスが研究と実験を重ねて進化してきたミュージシャンなのかを改めて思い知らされる一枚です。

しかし聴いていても容易に想像はつくのですが、マイルスとその仲間たちはこのあと本当にやることがなくなってしまい、NEFERTITIを最後に解散してしまいます。

Sorcerer
http://youtu.be/z-sMwUiZxVo


2013年1月2日水曜日

NEFERTITI/MilesDavis(1967)





2013年の最初に聴くレコードを何にしようか迷って、クラシックではなくJAZZ、マイルス・デイヴィスにすることにしました。

「JAZZを聴こう!」と思い立ってからかれこれ10数年が経とうとしています。
未だにJAZZを理解して聴いているとは言えません。
理由のの一つは、JAZZの典型的な形態である「ビバップ」スタイルにシンパシーがないからだと思います。
原曲が分からないほど崩してしまったり、ソロのたびに拍手をしたり、よく分からない世界です。

それでも、マイルスに関しては彼の演奏を何度も聴き返しているうちに、段々彼が他のJAZZミュージシャンとは全く違う構造と特徴を持つ音楽家であることが理解できるようになってきました。


だからマイルスは大好きです。
もしもJAZZ=マイルスなら、僕はjAZZを理解して聴いている事になると思います。
現時点での僕の理解は、モダンジャズは「マイルスと、それ以外」です。
でも他とマイルスがどう違うのか?と聞かれると、分からないんだなあ。

「NEFERTITI」は1967年に発表された、マイルスとその仲間たちの黄金期の最後のアルバムです。
それまでのジャズのお決まりだったコード進行によるハードバップから解放され、インプロヴィゼイション(即興)によるフレーズの重なりで音楽を作るモード・ジャズを確立したマイルスが最終的にたどり着いた境地は、厳密な演奏進行をキープしながらノーコードでインプロヴァイズしてゆくという、並大抵のミュージシャンが到達することのできない世界でした。

毎日聴けるほど馴染みやすくはないのですが、音楽の進化としてはある種完璧なものを感じます。
このアルバムを最後に彼の黄金期のクインテットは解散し、それぞれがソロで大活躍を始めます。
同時に、いわゆる我々が普通の感覚で「JAZZ」と呼ぶ音楽が最先端だった時代が終焉し、フュージョンやクロスオーバーという音楽ジャンルに移行し、より洗練された新しい音楽が生まれていきます。マイルスにとってもこのアルバムがアコースティックの楽器だけで録音した最後のアルバムになりました。


Nefertiti
Youtubeのmp3ではかなり音がしょぼくなって情報しか伝わって来ませんが、レコードやCDで聴くと天才ミュージシャン達の気迫がビシビシと伝わってきます。この曲はこのアルバムの一曲目ですが、アルバムを聴き進めて行くと、実はこの曲は小手調べに過ぎなかった事に気づくことになります。
http://youtu.be/NcRg-duiWgQ