2001年12月27日木曜日

コーチメンVanCamper19' メモ(2001/12~2003/7/29)



私的な用途のためにまとめた、コーチメンの仕様とメモです。

  1. 仕様
  2. ファーストインプレッション(2001/12/27)
  3. インプレッション-2(2002/5/7)
  4. インプレッション-3(2002/6/3)
  5. インプレッション-4(2003/7/29)

FORD Econoline E250
Coachmen VanCamper 19'RD(1990)
■仕様
車台Ford E250 SV
エンジンV型8気筒OHV5800cc EFI
出力210ps@3800rpm
トルク42kg-m@2800rpm
製造1990年
サイズ全長5900/全幅2090/全高2870/重量3090kg/定員10名/就寝6名
燃費一般道:約4km/l
高速道路:約5km/l
今までの平均:4.6km/l(スタッドレスタイヤ装着、満タン法で計測)
タイヤLT235/85R16
ミッションOD付4速AT/コラム 
装備リヤダイネット/フロントロールオーバーソファ/バンクベッド/シンク/2バーナ/トイレ/45ampコンバータ/走行充電/ONAN2.8kwジェネレータ/ルーフエアコン/電子レンジ/3Way冷蔵庫/FFヒータ/温水ボイラ/外電コード/LPGタンク12kg/FWタンク91L/グレータンク41L/ブラックタンク41L/バックモニタ/ラダー/トップボックス/TV/VTR/サイドオーニング/サイクルキャリア
 
■ファーストインプレッション(納車直後~1ヶ月後)2001.12.27
居住性クラスB中最大級の容積。とはいっても同じ長さのクラスCに比べれば当然手狭。…っていうかフルサイズバンに無理矢理クラスCの装備を詰め込んだ感じ。それでも全てをミニマムにしつつ、アメリカンRVに必要最低限な装備をうまくセッティングしている(シャワーを除く)。
就寝性能に関しても、バンクベッドに加えて、運転席と助手席の他の全てのシートがワンアクションでフラットベッドに変わる。6名就寝といっても、通 常バンコン(ClassB)の場合本当に6人寝るのはかなり無理がある。けれどもこのクルマの場合、逆に普段は2名でのツーリングを想定をしつつ、仮に6名が泊まるような事になったとしても決して誰かが犠牲になるような事はない。
新車時の価格はメルセデスのEクラスや19ftのクラスCが買えてしまうほど。その割には案外とってつけたような内装工事があちこちに残る。でもバンキャンパー(バンコン)の本質はそんなところにはない。各社レイアウトやユーティリテイ性を追求し、効率的で合理的な旅ができるような工夫をしている。このコーチメンの場合も、小さいながらもダイネットが車輌後部に据え付けられており、キャラバンにとって大事な「食事」「くつろぎ」の質を追求している。カタログによれば、このレイアウトはかつて日本のコーチメン代理店だったボナンザが日本向けに特別 にオーダーしたもの。最後尾に開放型のダイネットを持ってきたという演出効果 は想像以上。 最新型のダッジラムベースのクラスBのどれよりも居住性能は優れている。
静粛性巡航中はヨーロッパや国産のトラックに比べたらまるで無音であるかのように静か。もちろん国産乗用車の足元には及ばない。が、この種のクルマにとっての必要にして十分な静かさは確保。踏み込めばV8特有の力強いエンジン音。
ジェネレータはONAN2.8kw。走行中の小型バイク並みにうるさい。マフラーをつけたとしても、負荷運転では単車のアイドリングより静かになることはないだろう。
エンジンOHV5.8Lで3tを引っ張るから、決して出だしは良いとは言えない。それでもトラックとしてではなく、乗用車レベルで加速の良し悪しを言えるレベルにはある。トルク感は坂道でも平地でもたいして変わらない。巡航中はあくまでも滑らかに、一旦アクセルを踏み込めば「ドワーッ」といううなり声とともに加速する典型的なアメリカンV8。もちろん消音済み。スロットルにリニアという訳にはいかないが、4速ODで峠の坂道を「するする」と登ってしまうのには少し驚く。国産ライトトラックとは全く異質の「静かなるパワー」。
追記: 単純な比較はできないが、日本の1.5~2.0tクラスのライトトラックのディーゼルエンジンのトルク特性はこのエコノラインに付いているガソリンエンジンよりもずっとピーキーな傾向を持っている。 
走行性根本的に直進安定性に問題がある上に、バンクベッドの分、横風やトラックの風圧を受けやすい。まっすぐに走るためにはアメ車特有の作法が必要。それでも荷物満載時のトラックよりはずっとマシ。オートドライブをONにしてしまえばちゃんとイージードライブが楽しめるし、追い越し加速は120km/hまでならなんとかなる。でも巡航では55Mile/h(約88km/h)以上は出したくない。コーナリング性能はそれを取り沙汰する事自体無意味。ヨーイングはどんな時でもワンテンポ遅れるし全てが緩慢。ただ思ったより前サスのつんのめりは少ない。重量 のせいか? ノロマのストレスはない。
乗り心地運転席、助手席の乗り心地はアメ車然。が、最後尾だと板サスの特徴がモロに出ていて、案外細かい路面 のギャップまで拾っている。シャーシは捻れ感も小さく、長い割には良くできているなあという印象。
取り回しキャブオーバーに比べれば、トラック独特の大回り感覚は要らない。けれどもやはり長さの分、内輪差は相当ある事は確か。全体的な車輌感覚は2tロング車とほぼ同じ。ステアリングはむしろ意外なほど切れるが、耐久性を持っているかどうかは不明。10年落ちの外車としては健康的。
その他元々僕はこの時代のフォードの商用車に惹かれていた。武骨でトラクターの様にいつまでも動き続けそうなデリカシーのない頑丈さ。台所用品と商用車に関してだけは、このデリカシーのないオーバークオリティに、逆にテンションの高いデリカシーを感じる。日本ではシェビーバンやダッジラムの人気の方がずっと高い。けれども僕は断然エコノライン派といって差し支えない。アメリカのはたらくじどうしゃ。とはいっても自分が乗る日が来るとは思っていなかった。たまたま偶然、キャンピングカーというものを考えた時、エコノラインが現実的選択肢に。

「先代のエコノラインやダッジラムは壊れる」と聞いていた。設計が1970年代、要するに古き悪しき時代のアメ車の生き残りみたいなもの。でも正直な感想を言えば、「なんて頑丈なクルマなんだ!」。自動車的には全くのトラブルフリー。

この点に関しては購入した販売店のメンテナンスに依るところも大きい。前オーナーの元でだいぶ長いこと放置されていたのか、不具合を放置していた形跡があって、ラジエータやエアコンのエバポレータ破損、 キャンピング装備に至っては冷蔵庫は機能せずボイラも壊れているという、とてもじゃないが「走れない」状態だった。それを「基本的に現状販売」と言いながらも、すっかり完治して納車してくれた販売店の真面 目な態度には本当に感謝している。餅は餅屋、キャンピングカーはキャン…。
ところでこのクルマ、70年代の設計という事もあるが1990年式にしてはあちこちが妙に古めかしい。メーターパネル周りはまさに70年代。ヘッドランプはダッシュボードのツマミをプルアップする、これだけでも相当に懐かしいが、それだけでなく、ハイビーム切り替えが足でのボタン操作だったり、パッシングライトの機構がない、トリップメータが付いてないなど相当に変わっている。「相当に変わっている」操作感は僕にとって大事なアイテムになりつつある。
欠点このクルマの最大の欠点は燃費。少なくとも納車1ヶ月目はリッター当たり4kmがせいぜいだった。2日で140Lが消えた時は、さすがに血の気が引いた。けれども、不思議なことに走れば走るほど燃費が伸びてきた。ストップアンドゴーさえ最小限になれば、アクセルワークに一切気を使わなくてもリッター当たり5km走ることもある。今までの遠出の平均燃費は約4.6km/l(スタッドレス)。国産乗用車に比べればガスガズラーだけど「ムダにガソリンを食っている」という気もしない。
■セカンドインプレッション(6ヶ月後)2002.05.07
居住性数回のキャラバンを経て、良いところと気になるところがいろいろ見えてきた。
就寝性能
前回同様、ベッドによる就寝性能の差は明確には感じられなかった。ただし、空気の対流や断熱の問題で微妙な差があることもわかった。バンクベッドはおおむね断熱性も対流性も問題ないが、夜間は窓からの冷気によって思ったより気温差があることがあった。ソファベッドも同様に窓が原因の温度差がかなりある。リヤのダイネットベッドは後部ドアそのものの断熱性が悪く、夜中は相当冷え込む。

これらの対策として、薄手の銀マット(裏ポリウレタンスポンジ約2mm)を窓面 に貼ってみた。昼間の遮熱性についてはかなり効果があった。夜間の断熱性については、銀マットだけではやや役不足で、特にドア部分については鉄部まで含めてもう少し厚手の銀マットを使用する必要があるようだ。 


この季節、夜間でもFFヒーターを稼働させるには微妙な気温で(摂氏10~20度)、かといって外気にさらされれば風邪を引く気温でもある。実はこの程度の温度が最も温度管理が難しいということがわかった。(外気10度以下なら文句なしにFFヒーターが稼働するし、外気20~25度なら断熱も暖房も冷房も換気もいらない。25度以上であれば、湿度に応じて窓を開けたり換気、冷房の必要が出てくる)


ダイネットベッドの広さ
購入時から少し気になっていたダイネットの狭さだが、当初、もう少し幅があれば…と思っていたのが、実際には実幅よりシート頭上のクリアランスの不足がもたらす閉塞感が大きい事がわかった。これはクルマの形状によるもので、上に行けば行くほど空間が狭くなっているせいだ。シェル自体が四角い箱でできているクラスCではこういうことは起きない、クラスBならではの問題。これをクリアするには、クルマの最後部ダイネット部分だけを箱状に改造するという方法が考えられる。

  
通路の拡大
冷蔵庫が通路に約5cmほどはみ出している。たかが5cmだがこれが行き来の時に案外邪魔になる。元々大きめの冷蔵庫が入っていたところに 、よりコンパクトな冷蔵庫がリプレイスされているのでスペースの余裕はある。そこで、冷蔵庫を止めているパネルの通 路にはみ出た部分を切って、冷蔵庫を奥に引っ込めて上部の電子レンジと面一にしてしまおうと考えている。これの詳細については後ほど。 

静粛性ジェネレータは、20mほど離れると殆ど気にならないレベルだが、それでも車中や近くでは相当の騒音と振動を感じる。ジェネを格納している壁を見ると、メッキされたブリキの板であった。これではかえってドラミングして振動を倍加させてしまうことになる。現状で検討している改造は、このジェネ格納庫の壁面 を全て防振シートで覆ってしまうことと、排気パイプに自作のエンドマフラーを装着すること。

オーナン社(ジェネのメーカー、どちらかというと船舶用で知られている)純正部品のエンドマフラーも入手可能でそんなに高くはないのだが(1~1.5万)、ジェネの排気量 (約200cc)に比べてあまりに小型に見える。その大きさでは排圧を相当低くしないと出力低下に繋がるし、もしそのために排圧を低くしているものであれば防音効果 は期待できない。「ONANはマフラーをつけてもさほど静かにならない」という評判もうなずける。事実本体側部には元々のファーストマフラーが小さいながらちゃんとあって、これで基本的な騒音は抑えられているのだから、元々排圧の問題についても考えてないようでいて案外考えられているのかもしれない。要は詰めの問題。とすれば、なるべく排圧を高めずに、容量 を稼いで防音するしかない。エンドマフラーの制作は溶接機がないと難しいが、仕組み自体はさほど複雑でもないので、遠くない時期に着手しようと考えている。
エンジン
走行性
乗れば乗るほどこの実用型V8エンジンに惹かれていくような気がする。不快な振動がなくスムース&イージー、常にフラットなトルクを感じさせてくれる。巡航中は「ドロドロ」とかすかなOHVのうねりが聞こえてきてなんとも心地よい。決して「デカい」エンジンなどではなく「使いやすい」エンジンだ。ヘンリーフォードが執拗に、大衆車向けV8にこだわったのもわかるような気がする。

オートクルーズの恩恵は計り知れない。オートクルーズは以前から欲しい機能だったが、今やこの手のクルマに乗ってオートクルーズなしのドライブは考えられないところまできている。オートクルーズにはいろんな利点がある。ひとつは、車間距離をつめなくなるということ。これによる心理的な負担の軽減はとても大きい。人間って不思議なもので、車間があいてればつめたくなるし、車間距離が狭まると追い越したくなる。一度追い越すとスピードが高まる。一度高まった速度はなかなか落とせなくなる。速度を落とす必要性が出てくると大きなストレスを感じる。この繰り返しで高速運転はまるでレースのようになっていく。交通 量が多くなればなるほどアベレージが上がるのはそういうところから来る。ところがオートクルーズを一度かけてしまえば、否が応でも車間距離をつめなくなるから無用なアクセルのオンオフやブレーキも殆どなくなる。減速しても加速してもまた元のセッティングスピードに戻ってしまう。故にある種の「お任せ観」が生まれて、無用に高いスピード設定もしなくなってくる。無用なアクセルオンオフもなくなるから燃費も向上する。

僕の場合、首都高なら45m/h(約72km/h)、高速道ではほとんど80km/hか55m/h(約88km/h)付近でオートクルーズをかける。 このぐらいであれば殆ど全てのカーブにノーブレーキで対応できるし、 ペースも積載中の大型車に合わせられてラクだし(オートクルーズ搭載のトラックの後ろならなおラク)、他車の割り込みや進入があっても十分余裕を持って対応できる。

停止時からの加速性、いわゆる出足についてはちょっと微妙な印象の変化を感じる。下記の燃費の項でも書いているが、ストップアンドゴーの連続ではリニアに加速して先頭に出ようと思うと、まるでドレンコックでも開いたかのように大量 のガソリンを喰ってしまう。そのために普段はアクセル開度も渋りがちになってくる。そうすると途端に出足が鈍く感じるようになるのだ。この辺はとても悩ましい。 出足の良さを感じるためだけにガソリンをドバドバ道にまき散らす様な事は、キャラバン中にはほとんど意味のない事は確かだが。 
燃費燃費はどういうわけか徐々に良くなっている。2001年11月から2002年5月までの期間、5912km走行した平均燃費はおよそ4.72km/L。納車当初は3km/L~4km/Lあたりをうろうろしていたから約1km/Lは確実に伸びている。
(ちなみに最低は、年末に入間と蓮田を往復した時の3.5km/L。もしかすると整備か何かの時に販売店の人が運転した時かもしれない)
特段走り方を工夫しているわけでもないが、オートクルーズを多用しているからかもしれない。とにかく空いていれば一般 道でもオートクルーズをこまめにかけるようにしている。GWの東北キャラバンでは平均4.9km/l(満タン法)、帰りの東北自動車道約100km区間では推定で6km/lを超えた可能性がある。より長距離の巡航ができればもっと伸びるはずだ。

アメ車のV8エンジンは燃費が悪いと言われるが、ここまで来ると一概にエンジンのせいだけではないような気もする。本国ではこの手の大排気量 バンよりもヨーロッパ製の高級車の方がよほどガスガズラー(ガソリン大喰い)の認定を受けていることからも分かるように、元々は決して燃費の悪いエンジンではないはずなのだ。例えば高速道の長い急な坂道ではオーバードライブを切らないと、さすがに速度が落ちてくるが、そんな状況であっても特別 燃費は落ちてない事が分かった。坂道より怖いのは信号のストップアンドゴーだ。数キロ走っただけで燃料計の目盛りがみるみる下がっていくのがわかる。

この辺のカラクリはどうやらトルコン(トルクコンバーター)にありそうだ。加速の際、エンジン回転数と加速に、ちょっと普通 でないほどの タイムラグやパワーラグを感じることがある。これはトルコンがきちんとパワーを伝達していない可能性を示唆している。普通 のAT車ならトルコンオイルが完全に逝ってる状態だ。といってもこのクルマの場合、どうも欠陥や故障とも言い切れない。 というのもクリープや車庫入れ時の際の微妙なアクセルワークにはちゃんと細かいレスポンスで付いてくるからだ。要は車重とトルコンそのものの仕様が合ってない問題と言える。巡航すればさほど燃費が落ちないことから、本国ではおそらく問題視すらされていないだろう。個人的な予測としては、燃費の伸びも見ながら推測するに、ある程度改善すればリッター7kmのキャラバンも無理じゃない気がしている。7km/lなら、ちょっと大きめのセダンの燃費と変わらない。改善手段として真っ先に考えられるのはATF交換やエンジンやミッションオイル添加剤の使用、車重の軽量 化など。「アメ車は基本的にクリアランスだらけ」というイメージを基本に、いろいろ試しながら観察していきたい。
その他この半年間、オートキャラバンで気づいた最も大きなことと言えば、キャンピングカーというのは、クルマであるにも関わらず、絶対的な性能の優劣の物差しで測れない世界なのだということ。数少ないキャンピングカーの情報誌やネットでは、例えば「室内は大きければ大きいほど良い」とか「設備はこれとこれは必須である」とか、そういうカタログ的な情報が飛び交っている。 けれども、実際にオートキャラバンで出会った人達やクルマ、自分達の旅を見てみると、実はキャンピングカーのスペックというのは、それを必要としない人にとっては全く意味をなさないもので、取捨選択の難しい要素が山ほどあるのだという事が見えてくる。クルマが先にありきではなくて、本人の旅のスタイルが先になくてはならないのだ。軽自動車でもキャンピングカーになり得るし、車中泊している大型トラックだって、考えてみればプロのキャラバンだ。それをより実生活系にソフィスティケイトした改造車がキャンピングカーと呼ばれているだけの話だ。

ワンボックスのバンコンに、家族4人が工夫してベッドを展開してP泊している姿はとても楽しそうだった。ロデオキャンパーのご夫婦は、とにかく国道をひた走り、デイキャンプで休日を過ごすのが好きだと言う。母親らしき身体の不自由そうな老婦人を介護しながら道の駅を巡っているヨーロッパ製の高級キャブコンに乗る人も見かけた。朝、子供を叱り、トレーラーの外にほっぽりだしていたお父さんもいた。それぞれが「その人のライフスタイルにとってのみ」必要な要素を厳然と取捨選択した結果 、そのクルマになったのだという「必然性」が、乗用車に乗っていた頃には信じられないほどの真剣さで僕に迫ってくる。彼らのどのスタイルにも、例えば僕の乗るコーチメンは役不足だろうし、彼らのクルマもまた僕にとってはそうかもしれない。

そんな意味でも、にとっては、このコーチメンバンキャンパーはあまりにもジャストフィットだったということが、半年経って今さらの様に感じた。もちろんクルマ選びの時にも検討に検討は重ねてこれを選んだつもりだけれど、中古車の場合は結局最終的には「縁」と「直感」が物言う世界。そしてマスの大きいクラスBが年々減っている事を考えると、よく出会ったなあと思う。
キャンピングカーで走っていると、旅先での人との出会いやふれあいはとても多くなる。その楽しさにも目覚めつつある。先日は、旅先の海岸を犬と散歩していたら、黒ラブを連れた地元の愛犬家に出会った。1時間も犬談義で花が咲き、犬の名前も教え合って写 真まで撮ったのに、肝心のご本人のお名前をお聞きするのを忘れてしまった。とっさにメールアドレスぐらい交換できればいいのだが、ふとした袖のふれあい加減ではそういう時間もないし野暮ったい気もして、しばし談笑の後別 れる。でも、それが旅の出会いのいいところ。縁があれば二度会える。会いたいと思えばそこへまた行けばよい。そう信じて彼らの顔を脳裏に留めておくのもまた楽しい旅の醍醐味だ。
■インプレッション-3 2002.06.03
居住性5月下旬、軽井沢までの往復約300km余の道のりを両親を乗せてツーリングすることになった。今までで最高の4人乗車でどういう挙動、特長を示すか、図らずも確認できた。
ソファ(カウチ)の居住性
横座り式のカウチに2人乗車、進行方向に背もたれがないというのは長時間ドライブの座り心地や居住性が悪くて疲れるのではと心配した。が実際には「姿勢が自由だったので案外疲れなかった」との感想。景色等の問題を除けば、心配したほど苦痛な姿勢ではないようだ。確かにこのクルマのカウチの場合、座面が標準より奥行きが大きいため、姿勢はかなり自由になる。

姿勢が自由になるというのは長時間乗る乗り物の場合かなり重要な要素だと言われている。特に問題視されているのが飛行機など座席の狭い乗り物。姿勢が固定された結果、鬱血が進んでいわゆる「ロングフライト症候群」と呼ばれる傷害を引き起こすことがある。似た症状はドライバーにも起きる。キャンピングカーの場合も、実際に乗員する定員の1.5~2倍のシート数を確保するのが最も快適と言われる。コーチメンは定員10名のシートがあるから、実際に5名乗車しても快適にドライブできるということだけれども、くつろぐという意味ではどうやら4人でギリギリなような気がした。
景色があまり見えないという問題については、カーテンの下部レールを外し、上に巻き上げてしまうようにした結果、かなり車内が明るくなってクリアに外が見えるようになった。
登坂性能日帰りのツーリングにも関わらず、清水タンク(90L)もガソリンも(140L)満タン状態にして、さらに大人4人が乗った状態のため、果たしてちゃんと坂を登れるか心配した。特に白糸ハイランドウェイ(旧軽井沢~北軽井沢)の登りは、葛折りの上にカーブも勾配もきつい。もちろんそれは杞憂で、結果としてはスルスルと登って行った。
ただ、問題点もある。葛折りが続くとアクセルを全開にできないため、速度が落ちてもなかなか変速してくれない。つまりエンジン回転が合わない状態。 こうなるとコーナーを出たところでアクセルを全開にし、コーナーの手前でアクセルを戻すという基本動作でも速度が極端に落ちる事もあった。決してエンジン出力が足りないのではなく、トルクが高めの回転域で推移するために、一旦加速し始めるとアッという間にスピードが乗ってしまい、アクセルオフすると重量のために極端にスピードが落ちる。サスがもう少し固ければ、おそらくそのスピードでも曲がっていけるだろうという感触はある。
けれどもじゃあサスを強化しようか?という気にはならない。ショックは交換してみるのもいいかもしれないけれど、これ以上コーナリング性能を良くした場合、横Gに対して中の荷物やカウチに座った乗員が耐えられなくなってしまう。同じ事は高速道路のインターチェンジの導入路でも感じる。制限速度は「40km/h」とあるが、今まではそんな速度で走った事などない。アルファなんか周りにクルマがいない限り、80km/hのまま突っ込むことさえある。でもこのクルマの場合はきっちり40km/hで回らないと、荷物がすっ飛ぶ。つまり曲がれると曲がれないとに関わらず、40km/hで回るべきということ。キャンピングカーというのは難しい乗り物だと思った。
燃費連続燃費は相変わらず徐々に良くなっているが、ここのところ連続して峠道を走った事で区間燃費は若干悪くなった。2002年5月24日~26日、主な峠道として赤城山大沼、上信越自動車道碓氷峠を含め、合計485km走行した平均燃費はおよそ4.41km/L。5月29日の上信越自動車道碓氷峠、白糸ハイランドパークウェイを含む合計337kmの区間、メインタンクがゼロ表示をした時点での推定燃費は、70L消費と仮定して4.8km/L、80L消費と仮定して4.2km/L、実際は5~6Lは残っているはずだから、間をとって4.5km/hぐらい。後者の方が峠の数が多いにも関わらず燃費がさほど変わらないか良くなっているのは、前者は一般道のみ、後者は関越道を併用しているからと思われる。実際に峠道だけの区間燃費を計算すれば、おそらく3km/hぐらいまで落ちている感触。
その他窓というものの存在の難しさを実感した。キャンピングカーでキャンプやP泊をした場合、窓は冷気や熱気を運ぶ厄介な存在だ。外からの視線も気になる。だから多くのキャンピングカーの多くは窓がとても少なく、小さく作ってある。けれども昼間、ツーリングカーとして後ろに人を乗せて走るとき、窓は非常に重要な役割を担う。景色を見て、感動すること、共通の話題を持つこと、クルマ酔いせずに済むこと。
また、ClassB(バンコン)の場合、2キャプテンがいいか、4キャプテンがいいかは非常に迷う。観光地で大きな窓を持つ4キャプテンの古いプレジャーウェイ(ダッジラムベースのバンコン)を見たときは、素直にいいなあと思った。4キャプテンと言えば、スタークラフト社のバンコンが日本ではポピュラー。 4人+それ以上の大人がゆったりとくつろぎながらツーリングできる、豪華なクルーザースタイル。ただスタークラフト自体は宿泊機能はほとんど持ち合わせていない。窓やキャプテンシートが多いということは、就寝性能を犠牲にしているという事でもある。それはビッグサイズのアメリカンバンでも同じ。だからクルーザーで旅をする場合は、宿泊はホテルや旅館を使うスタイルになるだろう。あるいはキャンピングトレーラーを牽くのもいい。
追記軽井沢へのツーリングから数日後、コーチメンの追い越し加速テストをしてみた。
S5線下り、浦和北~与野出口、平地。無風、80km/hから100km/hへの加速は、時計計測で約11秒弱。
■インプレッション-4 2003.07.29
稼働状況21ヶ月目。
7月現在、オドメーターの数字は30979mile(49566km)
我が家に来てからの総走行距離は合計約10000mile(16000km)
21ヶ月間の月間平均走行距離は762km/月。

2002年の1~7月の走行距離は3761mile(6017km)
月間走行距離は 659km/月。
2003年の1~7月の走行距離は2352mile(3763km)
月間走行距離は537km/月。

主な行き先は
1~4月:本庄/日光東照宮/高崎/筑波サーキット/宇都宮/川越/新座/伊豆湯河原/佐野/ツインリンクもてぎ
5~7月:伊勢崎/有楽町/佐野/新田/熊谷/横浜など

稼働率が極端に下がっている訳ではないが、距離が伸びていない。
車内泊は1月の日光東照宮と4月のツインリンクもてぎのみで、他は全て日帰り。
この他に、6~7月中はほぼ週一のペースで市内の買い物用で稼働している。
近距離ばかりになっているのは忙しかったという事情が大きい。
この状況はまだしばらく続く模様。

もっとも近距離のドライブのおかげで、クルマの中でのくつろぎも最大限に味わってもいる。
とにかく先を急がなくていい、休憩場所を探さなくていい、無理に移動しなくてもいいというのは
こんなにもストレスを軽減するのだと実感している。 
燃費給油の記録は付けてはいるが、燃費は上半期ほとんど解析していない。どうやら5km/Lあたりで安定したようだ。というか、だんだん燃費のことを考えるのがバカバカしくなってきた。決してマヒしたわけではない…と思う。この図体を軽々と引っ張るV8のフィーリングとトルク感、他のクルマでは味わえないバイブレーションがリッター5kmで手に入るというのは、実はとっても経済的で省エネだなーと思ってしまうのだ。もちろんこれが日常の足だというなら不経済だ。だから普段はリッター15km走るクルマに乗っている。
この2台の走行距離や燃料の使用量を足して2で割れば、かつてそれ1台で旅行も普段の足もまかなっていた2000ccのヨーロッパ製スポーツセダンよりずっと燃料もかからず、空気も汚していないという自信がある。

 
雑感今年はなんと言ってもキャンピングカーの「機動性」について考えることがとても多い。というのも、行き先の駐車場の多くが、ショッピングモールやホームセンターなど、基本的に普通車ワクしか設けていない場所だからだ。基本的にコーチメンはこれらのほとんどに停めることができる。これがありがたい。
キャンピングカーの場合、後ろのオーバーハングが大きいので、長さ5mにこだわらなくても、基本的に後ろのハングオーバー分をクルマ止めの後ろに確保できればOKなのだ。むしろ問題になるのは幅。
居住性の点でクラスCへの乗り換えを考えることがあるけれど、幅の事を考えると現在頭の中に入っている駐車場の半分以上は駐車不可能になってしまう。我々のここ2年間の行動パターンを見れば、やはりコーチメンが十分にして最大のサイズになってしまうのだなと感じた。